人気者は誰?<拍手文 5>

〜はじめの一言〜
3本目の拍手文です。もうイカれたおちゃらけです
BGM:AKB48 会いたかった
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「ねぇねぇ。原田さん、永倉さん!」

バタバタと廊下でたむろっていた原田と永倉の下へ平助がやってきた。

「なんだよ、平助」

暑そうにうちわを片手の永倉が振り向いた。

「なんかさ、ここにいる俺達って格好いいって評判らしいよ?」
「おっ!!」

額に汗をかきながら、二人の後ろに足を投げ出して座った平助に、二人が顔を見合わせた。

「俺達の大人の男の魅力に惹かれる女がいてもあったりめぇじゃねえか」
「ついに俺達の時代か?!」

お互いをうちわでバシバシ叩き合いながら二人はさも当然という顔をしている。

「えー……。二人とも疑問に思わないわけ?確かに他所じゃ登場率低いところもおおいしさぁ、どっちかっていうと色物キャラじゃん?」
「そりゃ、おめぇだけだろー」

永倉にべしっと団扇でたたかれた平助はムッとして言い返した。

「そういうけどね、俺はお悠ちゃんとの悲恋とかさ、原作じゃ登場率たかいけど、二人はそうじゃないじゃん!!俺は爽やかキャラで人気たかいもん!!」
「なんだと、ゴラ。俺様なんか、おまさとの感動的な恋愛話だけじゃなく!大人の男として春画本の巨匠として登場率たけぇだろうが!!」

くるっと二人に顔を向けられた永倉が、若干ビビる。

「な、なんだよ。俺は容保様への建白書の回で格好いいとこ見せてるぞ?」
「あんなの字が汚いことを暴露しただけでおわっちゃったじゃん!!」
「なに!てめぇ…・左之!ヤレ」

永倉が顎で示すと、原田が勢いよく立ち上がって平助を押し倒した。

「がってん!!おまさ~、許せよ~。女じゃないからな~」
「うわぁぁぁ、何するんだよ~!!俺は衆道じゃないから~!!!」
「遠慮すんな、平助。いざ俺の愛を~~~~~!!!!!」

あっという間に原田に着物をむしられた平助が、まじめに貞操の危機を感じる。それを横で見ている永倉がげらげらと笑い転げた。
汗が流れるくらいの暑さのなかで、男二人が下帯姿でがっちり組んず解れつの異様に暑苦しい世界が展開しようとしているところに、巡察帰りで汗だくの総司が現れた。

「あれぇ、皆さん楽しそうじゃないですか」
「お、総司」

永倉が笑いながら、倒れ込んだ。原田に下帯まで掴まれた平助が総司に助けを求める。

「総司~!助けてよ~」
「うるせぇ、そもそもお前が、ここで格好いいって評判の俺達にケチつけたんだろうが!」

平助を押さえつけた原田が言い返す。そこに総司があっさりと同意した。

「ああ、確かに皆さん格好いいですよね」
「お、総司、いいこというじゃねぇか。さすがに余裕だねぇ」

永倉がちゃちゃを入れるようにぶわ~っと団扇で総司を扇いだ。平助が総司を恨めしそうに見上げる。

「ちがうよっ!!だって、原作の登場率だって俺達の間でもちがうもん!だいたい、こうやってもろ肌になってたってみんなの視線はちがうってば!!」
「なにぃ!じゃあ、総司!お前ちょっと脱げ!」

 

「はい?」

 

んばっ!!

原田がそういうと、あっさりと総司が前身ごろを肌蹴た。

……。

「ほらっ、ほらっ!!読んでる皆さんの反応が全然俺達とちがうじゃん!!」

必死で原田の体の下から逃げながら、平助が叫んだ。総司は呑気に、こうですか?、こうかなぁ~と着物を肩から半分落として遊んでいる。原田と顔を見合わせた永倉が、上半身をばっとあらわにした。

「あれ?本当に皆さんの視線がちがいますね。永倉さんはこう、無精ひげ込みで全体を見ちゃいますし、原田さんはお腹の傷にに目がいっちゃいますしねえ。藤堂さんが一番肌がきれいですよね!」

…・。三人が無言になる。

「総司。なんだその、評価は」
「え?いや、ほら読み手の皆さんの冷静な意見をですね」

「「「絶対ちがうっ!!」」」

「じゃあ、その間に俺達は他所も回ってさ。休眠系起こしに行こうぜ。そしてかっこいいイケメントリオとして君臨するのだ~!」
「左之…。俺、ある意味、お前を尊敬するわ…・」

二人に引きずられた平助と共に、三人があちこちに襲撃を仕掛けるようになる。
…・かとおもいます。貴女様の今宵の夢の中に三人が襲撃をかけても、当方の責任ではございませんのであしからず。

 

– 終 –

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